QCVN 19:2009/BTNMT 無機物及びダストの工業排ガスに関する国家技術基準

無機物及びダストの工業排ガスに関する国家技術基準

QCVN 19:2009/BTNMT

National Technical Regulation on Industrial Emission of Inorganic Substances and Dusts

 

ハノイ―2009

 

序文

大気質に関する国家技術基準準備委員会によって準備された無機物及びダストの工業排ガスに関する国家技術基準QCVN 19:2009/BTNMTは、ベトナム環境総局、科学技術局及び法務局からの認可を得るために提出され、2009 年11月16日付けの天然資源環境大臣決定 No. 25/2009/TT-BTNMTとともに公布されたものである。

 

1.総則

1.1 通則

本規定は、大気中に排出される際の工業排ガス中の無機物及びダストの最大許容濃度を定めるものである。

1.2 適用範囲

本規定は、大気環境へ無機物及びダストを含む工業排ガスを排出する組織及び個人に適用される。

特定の各産業及び各分野の排ガスは別々に規定されている。

1.3 定義

本規定では、下記用語は以下のように定義する。

1.3.1 工業排ガスは、工業生産、加工、取引、サービス施設の煙突及び排気管から大気中に排出される成分の混合物である。

1.3.2 ダストは小固体粒子であり、通常は直径75 mm未満の粒子であり、その重量のために自然に沈降するが、しばらくの間浮遊したままになる可能性がある[TCVN 5966:2009 (ISO 4225-1994)による]。

1.3.3 標準排ガス立方メートル(Nm3)は水銀の760mmでの絶対圧力で、25°Cでの排ガスの立方メートルである。

1.3.4  Kpは、産業製造、加工、取引及びサービス施設の排ガス流量の合計に対応する廃棄物源の流量係数である。

1.3.5  Kvは、大気環境への排ガスを発生する工業工場、製造、加工、取引及びサービス施設がある地区又は地域の係数である。

1.3.6  P(m3 / h)は、工業製造、加工、取引及びサービス施設の煙突及び排気管からの排ガス流量の合計である。

2. 技術基準

2.1 工業排ガス中の無機物及びダストの最大許容濃度は、次の式で計算される。

Cmax = C x Kp x Kv

備考:

  • Cmaxは、工業排ガス中の無機物及びダストの最大許容濃度であり、標準排ガス1立方メートルあたりのミリグラム(mg / Nm3)で計算される。
  • Cは、表の 2.2 項で定めた無機物及びダストの濃度である。
  • Kpは、3 項で定めた排出源のガス流量係数である。
  • Kvは、4 項で定めた地区、地域の係数である。

 

2.2 工業排ガスの最大許容濃度を計算するための無機物及びダストのC濃度は、以下の表1に規定される。

1-工業排ガスの最大許容濃度を計算するための無機物及びダストのC濃度

 

 

項目

C値(mg/Nm3)
A

B

1

総粉塵

400

200

2

シリコン粉塵

50

50

3

アンモニア及びアンモニウム化合物

76

50

4

アンチモン及びその化合物(Sb換算)

20

10

5

ヒ素及びその化合物(As換算)

20

10

6

カドミウム及びその化合物(Cd換算)

20

5

7

鉛及びその化合物(Pb換算)

10

5

8

一酸化炭素(CO)

1000

1000

9

塩素

32

10

10

銅及びその化合物(Cu換算)

20

10

11

亜鉛及びその化合物(Zn換算)

30

30

12

塩酸(HCl)

200

50

13

フッ素及びフッ素無機化合物(HF換算)

50

20

14

硫化水素(H2S)

7,5

7,5

15

二酸化硫黄(SO2)

1500

500

16

窒素酸化物(NO2換算)

1000

850

17

窒素酸化物(化学製品製造施設)(NO2換算)

2000

1000

18

気相中のSO3又はH2SO4(SO3換算)

100

50

19

気相中のHNO3(NO2換算)(その他の源)

1000

500

注:

  • 欄Aは、2007年1月16日以前に運営を開始した工業生産、加工、取引及びサービス施設の工業排ガスの最大許容濃度を計算するための無機物及びダストのC濃度で、2014年12月31日まで適用された値である。
  • 欄Bは、以下の工業排ガスの最大許容値を計算するための無機物及びダストのC濃度である。

- 2007年1月16から営業している工業生産、加工、取引及びサービス施設

- 2015年1月1日から適用されている全ての工業生産、加工、取引及びサービス施設

 

2.3 排出源ガス流量Kpの係数は、以下の表2に規定される。

2-排出源ガス流量Kpの係数

排出源ガス流量(m3 / h

Kp

P ≤ 20.000

1

20.000 < P ≤ 100.000

0,9

P>100.000

0,8

 

2.4 地区、地域Kvの係数は、以下の表3に規定される。

3-地区、地域Kvの係数

地区・地域

Kv

カテゴリー1 特別グレード(1)及びグレードI(1)の都市中心部;特殊森林(2);ランク付けされた自然遺産、歴史的及び文化的史跡(3);これらのエリアの境界までの距離が2km未満の工業生産、加工、取引、サービス及びその他の工業施設

0,6

カテゴリー2 グレードII、III、IVの都市中心部(1);より大きい都心の境界から2km以上の距離にある特別グレードの都市及びグレードIの都市の郊外;これらのエリアの境界までの距離が2km未満の工業生産、加工、取引、サービス及びその他の工業施設

0,8

カテゴリー3 工業団地及びグレードVの都市(1);より大きい都心の境界から2km以上の距離にあるグレードII、III、IVの都市の郊外;これらのエリアの境界までの距離が2km未満の工業生産、加工、取引、サービス及びその他の工業施設

1,0

カテゴリー4 農村部

1,2

カテゴリー5 農村部の山岳地帯

1,4

注:

(1)都市は、都市分類に関する2009年5月7日の政令第42/2009 / ND-CPに従って確定される。

(2)2004年12月14日付けの森林保護開発法に基づいて定義された特殊森林には次のものがある:国立公園;自然保護区;景観保護地域;;科学的研究及び実験のための森林

(3)ユネスコ、首相、又は管理省庁の決定の下で確立されランク付けされた自然遺産、歴史的及び文化的史跡

(4)排出源が2つのエリアから2km未満の距離にある場合、地区、地域の係数Kvは、小さい方の係数が適用される。

(5)表3に規定されている距離は、排出源から計算されている。

 

3. 測定方法

3.1 工業排ガス中の無機物及びダストの測定方法は、以下の国家規格に対応して行われる。

  • TCVN 5977:2005:固定排出源-ダストにおける塵の流量及び濃度の測定-手動による方法
  • TCVN 6750:2005:固定排出源-二酸化硫黄の質量濃度の測定-イオンガスクロマトグラフィー法
  • TCVN 7172:2002:固定排出源-窒素酸化物の質量濃度の測定-naphtyletylendiaminを用いた吸光光度法
  • TCVN 7242:2003:医療廃棄物焼却炉-排ガス中の一酸化炭素(CO)濃度の測定方法
  • TCVN 7243:2003:医療廃棄物焼却炉-排ガス中のフッ化水素酸(HF)濃度の測定方法
  • TCVN 7243:2003:医療廃棄物焼却炉-排ガス中の塩化水素(HCl)濃度の測定方法

3.2 本規定で定められている工業排気ガス中の無機物の濃度を測定する国家規格がない場合には、同等又はより高い精度の国際規格を準用する。

 

4. 実施計画

4.1 本規定は、2006年12月18日付の天然資源環境大臣の決定No. 22/2006 / QD-BTNMTと供に公布されたベトナム標準TCVN5939:2005の大気質及びダスト・無機物の工業排ガス規格を置き換えるものとする。

4.2 国家環境管理局は、本規定の実施に係る指導、監査及び監督の責務を負う。

4.3 本規定で参照している表3-1国家規格が改訂又は置き換られた場合には、その新規格を利用しなければならない。

原文:こちら